生命科学の研究では、組織の機能と形態を関連づけるために組織中の成分や酵素の性質等が保持された切片標本(千分の二ミリ程度に薄く切ったもの)が必要とされている。私の開発した切片標本作製法は「川本法」と呼ばれ、この方法により不可能であった研究が可能になり急速に普及している。
平成11年、「川本法」の公開後、国内で60回以上の講演、200回以上の実技指導、国外ではソウル(韓国)、ニューオーリンズ(アメリカ)、ハイデルベルグ(ドイツ)で講演を行った。また、既に数百カ所の研究施設に導入され、多くの成果を上げている。
「川本法」の世界に向けての本格的な普及活動を開始した直後の昨年7月、この情報を聞きつけた台湾の医療関係者が研究室を訪れ、台湾での講演と研究指導の依頼があり、昨年の11月13・15日に戦前に日本政府により旧帝大(台北帝国大学)として設立された国立台湾大学の医学部で、14日に高度な医療設備と研究設備が整い3500床のベッドを有するチャングン記念病院で行うことになった。
講演と実習指導は一人で行うことになり、非常にハードな三日間となった。午前中に90分の講演、午後に研究指導。各会場には30名前後の教官と大学院生が参加。実習では参加者全員がきれいな切片標本を一回目からつくることができた。また、参加者から「アメイジング」「ビューティフル」「アンビリーバブル」などの賛辞をいただいた。今回の成果から、台湾の学会や中国での講演会、「川本法」普及のために各国の関係者を集めた講演会の企画などの希望が寄せられている。本年3月にはアメリカで講演を行う予定でいる。これらが実現すれば「川本法」が世界のライフサイエンスの重要な研究手法の一つになるだろう。 |