本学短期大学部保育科では、JICA(国際協力機構)横浜センターからの要請でJICAの支援している国々の幼児教育関係者の研修を行ってきた。昨年は一昨年に引き続いて、シリア・アラブ共和国から、シリア女性総連合の幼児保育局長、幼稚園園長、5人が11月23日から12月9日にわたって来日した。

 
   
 

 今回来日したのは、ニーナ・アワドさん(ハマ女性連合幼児保育局長)、ライラ・ダンダシさん(ホムス女性連合幼児保育局長)、サミーハ・アフマドさん(ラタキア幼児保育局長)、シャハーマ・アルトルクマーニさん(シャリーア幼稚園園長)、アマーニ・アルアッロークさん(ジハード・ナスール幼稚園園長)の5人、いずれもシリア女性総連合の幼稚園の園長や地域の幼児教育の管理者である。
 来日の主な目的は「日本の教育の実情を見ること」。さまざまな幼稚園保育園を見学し、そのなかでも幼児教育や保育を、遊びを通してどのように実践しているのかを学ぶことにあった。
 研修では「日本における保育の方法」「保育で使われているさまざまな玩具」など、本学保育科で保育理論の講義を受け、一方で本学附属の三松幼稚園をはじめ公立、私立の幼稚園、保育所を視察し、その実践を体験した。
 一行はとくに視察を通して、日本の組織立った保育の行われ方や1クラスの幼児の人数の少なさ、幼稚園教諭や保母の人数の多さ、遊びを中心にしたカリキュラム、男性の保育士の存在、子どもたちだけではなくその家族との関わり方などシリアの幼児教育と比較してその違いに驚く場面もたびたびあり、収穫も多かったようだ。また、總持寺の宝物殿を見学するなど第三の目的である日本の文化に触れる機会もあった。
 帰国を前にして、一行に研修の感想を聞いた。「教育の場ではいちばんの中心である子どもを重視しなければならないことを、日本の保育士の対応や経験から学び取ることができました」(アマーニさん)。「日本で学んだ、一つの教室で場所ごとにいろいろな活動を同時に行う保育や、遊びを通した教育を実践したいと思います。また、保育士と家族と子どもたちが一緒に参加し、子どもこそが教育の主体であるということを実践していきたいと思います」(サミーハさん)。「日本での保育士と子どもたちの関係を見られたことが有益でした。保育士の方々は子どもたちにとてもやさしく静かに対応する。その方法が私には大きな収穫でした」(シャハーマさん)。
「子どもたちに、学ぶことの楽しさを教えるということを見聞しました。愛情を持って接することで、自分たちの回りのものと調和していくことができると思いました」(ライラさん)。
「訪問の期間が大変短かったのは残念でしたが、日本では表現する自由があり、そこに子どもたちの創造性が育まれるところが素晴らしいと感じました」(ニーナさん)。「日本でいろいろな人たちに知り合い、みんなが友人以上にまるで自分の家族のようになったと思います。これからもその友人たちとつながっていきたい。みなさんとシリアとの間の架け橋のようになりたいと思っています」と、最後にサミーハさんが結んだ。

 
     

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