今回来日したのは、オメイマ・サルマンさん(シリア婦人連盟幼児教育部長)、アミラ・マシュヌークさん(シリア婦人連盟幼児教育部長)、ザルファ・カッラさん(幼稚園巡回アドバイザー) 、ハラ・アッサアドさん(幼稚園巡回アドバイザー兼エッサム・カナーン幼稚園保育者)、アワテフ・ライドさん(アルナウラス保育・幼稚園園長)、マハ・カンジャユーブさん(アルラスタン幼稚園園長)の6人。一行はいずれも婦人連盟の部長、巡回アドバイザー、幼稚園園長といった、シリアの幼児教育分野における管理者であり、去る2007年11月26日から12月6日の間、本学において研修が行われた。
来日の主な目的は「日本の文化を知り、幼児教育の実状に触れること」。日本人や日本文化と接し、幼児教育や保育の分野でどのような政策が行われているかを具体的、実践的に知ることで、その体験からシリアの幼児教育の現場でもふさわしいもの、役立つものを引き出すことが狙いだ。
研修では、本学保育科で保育理論の講議を受け、一方で本学附属の三松幼稚園等に赴き教育・保育の現状を視察した。日々を追って一行が強く感じたのは、日本の幼稚園教諭や保育士が、子どもたちに並々ならぬ強い愛情をもって接している点だった。それは文化の違いでもある。シリアでの保育園は、働く親に代わって「教育」をほどこす場と位置付けられている。「日本では、まるでお母さんやお姉さんのように家族的な愛情をもって接している。それはシリアでは家庭で行うものと割り切っている」(アワテフさん)幼児期に周囲から温かな愛情で包まれているからこそ豊かな情緒が生まれ、そこから秩序や道徳性のある素晴らしい国民性が培われた、と感じていた。
帰国を前にして、それぞれ今回の研修での収穫を「日本人の仕事に対する責任感と使命感の強さです、幼児教育の現場でも強く感じました」 「学生たちの秩序だった行動と協力し合う姿勢です」「時間を守るという最も大切なことを先生方が実践し、それを子どもたちにも教えている点」「とにかく日本の幼児教育の現場を体験できたこと、そこはまるで勤勉で平和な心をもった日本という国が凝縮されたようでした」「同じ志を持つ者の交流に、距離も言葉も障害にならないこと」「学生たちの誠実な姿勢と、そして常に疑問をもち続ける心」などと語っていた。日本での研修はとても新鮮であったようだ。
本学の環境や学生の印象も聞いてみた。「実習を行うのにふさわしい少人数であること、図書館に必要なものが全て揃っている点が素晴らしい」(オメイマさん)「出会った学生は私たちの娘のような年代ではあったが、自分たちのなすべきことを理解していて頼もしかった。授業見学を終え教室を出ようとした時に、『え?もう帰っちゃうの?』と声をかけてくれた時は、絆を感じて嬉しかった」(ザルファさん)
参加した講議で聞いた「幼児教育とは稲を育てるようなもの」という言葉が印象深かった、と代表のオメイマさん。「たっぷり水と栄養をあたえ、まんべんなく陽を当てる、そんなていねいさと情に満ちた姿勢に感銘を受けた。そのことを持ち帰り、シリアでは何ができるのかを考えてみたい」。そう締めくくった。 |