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グローバル化の流れが加速度を増す中、本学でも国際交流にはいっそうの努力がなされている。今年度も各学部・学科でさまざまな国際交流の取り組みが行われており、この夏休みも歯学部、文学部(英語英米文学科、文化財学科)の学生たちが姉妹校研修や学術交流、海外文化研修など、さまざまな目的でイギリス、オーストラリア、香港、そして台湾に渡り、充実した時間を過ごしてきた。そこで彼らに貴重な体験談を語ってもらった。
歯学部国際交流委員長・川崎堅三教授、文学部国際交流委員長・田久保浩准教授にもご出席いただいた。 |
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左から、野村美有紀さん(歯学部)、別部絵利子さん(歯学部)、翁長美弥さん(歯学部)、川崎堅三教授、田久保浩准教授、金子浩二さん(英語英米文学科)、高橋ちあきさん(文化財学科) |
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アジアから欧米まで 世界中に広がる国際交流 |
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──みなさんは海外で貴重な体験をしてきたことと思いますが、まずは国際交流に行ってきた国と参加理由を教えてください。
野村 姉妹校研修でメルボルン大学に10日間行きました。私の場合、入学する前から国際交流に興味がありまして、自分が将来、歯科医師になるにあたって視野を広げておきたかったのと、海外の歯学部の学生と触れ合ってみたいと考えて参加しました。メルボルン大学では講義に参加したり、実習を見学したり、英語でプレゼンテーションを体験してきました。
別部 私は昨年から姉妹校になった香港大学に行きました。外国の歯学部の授業や治療風景、また、歯科医師はどんな考え方や治療をしているのかに興味があって、海外研修を希望しました。
翁長 私はロンドン大学に行ってきました。海外研修は2回目です。昨年は韓国の檀国大学校で充実した時間を過ごせて大満足だったのですが、ロンドン大学に行ってきた先輩に、臨床実習を見学することができて貴重な体験をしたという話を聞いて、是非参加したいと思いました。
──文学部のお2人はどんな海外研修に参加されたのですか?
金子 僕は海外文化研修で2週間イギリスに行ってきました。将来は英語を使う仕事に就きたいと考えていて、海外に出る機会があれば、とにかく行ってみようと考えていました。前半1週間は自然の豊かなグレート・モーバンという町でホームステイをしてきましたが、ホスト・ファミリーもとても親切な方々で安心して過ごせました。後半はピーターラビットの故郷と呼ばれる湖水地方など英文学の舞台となった場所を見て回り、最後はロンドンの街を堪能して帰ってきました。
高橋 私は文化財学科の海外実習で台湾に行ってきました。当初の目的地はトルコだったのですが、社会情勢に不安があるということで急遽、台湾に変更になりました。トルコに行きたかったので、突然の変更には驚きましたし、下準備もなしで行ったのですが、名所旧跡を見て回るうちに興味が出てきて、帰る頃にはすっかり台湾のファンになってしまいました。 |
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ロンドン大学では臨床実習を行った(歯学部) |
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海外の学生の姿を見て 大いに刺激を受ける |
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──今回の国際交流を体験してどんなことを学んできましたか。
翁長 イギリスの歯学部は日本と違い5年制で、臨床実習も2年生からやっています。学生が患者さんに、自分からどんどん積極的に治療を進めていく姿を見て、すごいと思いました。また、日本とイギリスの治療方法の違いも知ることができました。
野村 メルボルン大学でも2年生から患者さんを診ているそうです。日本とオーストラリアでどちらがいいとは一概には言えませんが、早い段階から真剣に取り組んでいる姿を見られたのは刺激になりました。それと、授業中に学生が積極的に手を挙げて質問をしている姿には驚きました。日本では授業が終わってから先生に聞きに行くパターンが多いので、すごく勉強熱心だと思いました。
翁長 それから、日本では国家試験に合格しないと歯科医になれませんが、イギリスでは卒業すると同時に免許を得られるので、それはとてもうらやましかったです。
別部 香港では、歯科医と歯科衛生士がいつも同じペアを組んでいて、治療の時に歯科医が必ず衛生士の意見を聞いている姿を見て、信頼関係の厚さを感じました。日本では歯科衛生士さんの数が少ないので、なかなかそうはいきませんが、ペアを組んで治療するのも非常にいいことだと感じました。
野村 メルボルン大学には白人、黒人、アジア人、日系人と、いろいろな国の人がいて、その多国籍ぶりにもびっくり。
別部 香港の人は主に広東語を話すのですが、授業は英語です。当然、学生はみんな英語がペラペラで、日本の学生も頑張らないといけないなと思いました。私も最低限の日常会話なら何とかできるのですが、歯学の専門用語は分からないことが多く、単語を調べるのにひと苦労。これからは専門的な英語をもっと勉強していこうと思いました。
金子 言葉の壁に関して言えば、自分の言いたいことを伝えられないもどかしさは多々ありました。でも、相手の言っていることは何とか分かりましたし、こちらの伝えたいことも身ぶり手ぶりや絵を描いたりして、何が何でも伝えようとしました。 |
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南半球は冬。メルボルン大学の先生と郊外へと出かけた(歯学部) |
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海外で生活することで 日本文化が再確認できる |
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──文学部の海外研修では、日本と違う文化を目の当たりにして、得るところも多かったのでは?
金子 全くその通りです。僕は湖水地方を訪ねたときに、日本とは根本的に土地の使い方が違うことを感じました。日本だと空地があればすぐにビルを建ててしまいますが、イギリスでは森を残そうと考えたり、羊を放そうとしたり、自然を無駄にしないんです。これからの日本も自然を大事にしないといけないと思いました。また、「百聞は一見にしかず」と言うように、海外に行ってきた後で英国文学を読むと、イメージが頭の中に広がるので感動しますね。
高橋 私が一番感動したのは「國立故宮博物院」です。本当に広すぎて、とても数時間位では見ることができず、当時の皇帝の財力や権力の大きさがよく分かりました。私は主に象牙や翡翠の工芸品を重点的に見てきましたが、皇帝に献上されたという最高級の翡翠でできた「翠玉白菜」や豚の角煮みたいな「肉片石」に魅せられました。それと、私はゼミで漆を学んでいますので、「堆朱」という技法で作られた中国らしいデザインの美術品を観ることができて良かったです。
田久保 みなさん海外で楽しい体験をされてきたようですね。いろいろな発見や土地の人との触れあいからすごく刺激を受けて、それが新たな学習意欲につながっていくのはとても大事なことです。
川崎 学生時代に海外に出て、いろいろな体験をして国際感覚をつかんでくることで、将来に必ず役に立ちます。実際に出ていかなければ何事も始まりませんから、機会があれば出て行って、「心の財産」を残してほしいと思います。 |
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香港大学では歯学部長先生を表敬訪問(歯学部) |
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立ちはだかる語学の壁 英語の学習意欲がアップ |
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──多くのことを学んできたようですが、それだけでなく、現地の学生さんやホームステイ先の家族の方との楽しい思い出も作ってきたのではないですか。
別部 私はちょうど香港で誕生日を迎えました。鶴大の仲間や現地の学生みんなが「誕生日おめでとう!」と言って、サプライズプレゼントを用意してくれていたのが一番忘れられない思い出です。海外研修は短い期間でしたけれど、香港大学を卒業した歯科医の方たちが毎日ご飯に誘ってくれて、地元の人しか知らないようなレストランに連れて行ってくれました。おかげで、みんな太って帰ってきました(笑)。
野村 着いた日にメルボルンの学生が開いてくれたパーティーに参加したのが一番楽しかったですね。私たちをすぐに受け入れてくれて、英語があまり得意ではないのに気さくにはなしかけてくれました。私が言葉を話せていればもっと楽しかったのにと思うと、ちょっと残念なところもあります。
金子 ホームステイ最後の週末はホスト・ファミリーと過ごすことになっていて、ちょうどその土曜に長男ルーク君のサッカーの試合があったんです。僕もルーク君に「見に来てね」とお願いされていて、楽しみにしていたら、その日がどしゃ降りの雨。試合が中止になって、ルーク君は落ち込んでしまいました。そこでルーク君を元気づけるために、みんなでボウリング場に行ったんです。楽しく過ごしましたが、肝心のルーク君はボウリングよりもゲームセンターで遊んでいましたね(笑)。
翁長 私はロンドン大学の学生に連れられて食事に行ったり、ミュージカルを観に行ったりしたのがいい思い出です。クイーンのミュージカル「ウィ・ウィル・ロック・ユー」が観られたのは感激でした。すごい迫力でしたよ。 |
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イギリスの一般家庭にホームステイ、子どもたちとも仲良しに(英語英米文学科) |
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現地で知り合った友人と メールの交換をする仲に |
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高橋 台湾の人は信仰心が篤く、街中に孔子や関羽の霊を祀る古い廟がたくさんあって、どこも賑わっていました。台湾ではおみくじが無料で、私も一つもらって、ガイドさんに訳してくださいと頼んだら、何も言ってくれず、すごく悩んだ末に「がんばってね…」と一言。よほど悪いことが書かれているに違いないと、軽く落ち込みました。日本に帰ったら自分で調べないといけないと思いました(笑)。
別部 楽しい思い出かどうか分かりませんが、香港でちょうどレーザー学会が開催されていて、私たち学生も参加したんです。すると、そこに鶴大の保存科の先生がいらっしゃって、思わぬ場所で再会することができました(笑)。
翁長 私は今、韓国やイギリスで知り会った学生とメールのやりとりをしています。英語で文章を考えるのは難しいですけれど、コミュニケーションをとれるとうれしいですね。しかも、先日は彼らが鶴大に研修にやってきたんです。久しぶりに再会できて、とても感激しました。
川崎 私も若いころにロンドンに留学していましたが、そのときに知り合った友人とは30年以上の付き合いになります。今でも電話をかければ旧交を温められる関係ですから、そういう出会いは非常に大事です。海外で出会った友人とは、さらなる交流を深めて、長い付き合いを続けてほしい。今はメールがありますから、やりとりも簡単にできるでしょう。人生の楽しみが増えるのですから、海外研修には積極的に参加して交友関係も広げてほしいですね。 |
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台湾/九族文化村での先住民の舞台(文化財学科) |
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この経験は一生の財産 多くの学生に参加してほしい |
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──では、鶴大生へ国際交流をアピールするとしたら、どんなところを伝えようと思いますか。
翁長 国際交流のことをまだまだ知らない人が多いのが残念なところです。私の同級生にも、海外研修に行きたかったけれど募集期間が過ぎていたという学生もいて、もったいないなと思いました。
野村 そういう意味では国際交流の良さをアピールする前に、国際交流の存在自体をもっとアピールしたほうがいいのかな(笑)。募集要綱がエレベーターの前に貼ってあったりするだけなので、常にアンテナを張り巡らせていないと気づきません。掲示板に貼るとか、興味を持つ学生が気付くようにPRしてもらいたいですね。
川崎 そうですね。10月14日に皆さんの報告会を開催し、次年度に向けより多くの学生たちに参加を促したいと思います。
──実に参考になる意見をありがとうございました。では最後に、国際交流の良いところをアピールしていただけます?
高橋 少しでもその国に興味があったら参加した方がいいと思います。私がそうだったように最初はその土地にあまり興味がなくても、実際に行ってみたら興味が出てくるケースもあるので、ぜひ、参加しましょう。日本にいるだけでは分からないことも多いですし、実際に行って、現地の人と交流して、相手の国の文化を知ることがよりよい理解につながります。単純に考えても、行く前より自分の視野が広がっているはずです。
金子 「行って損はない」と自信を持って言えます。行けば行ったなりの知識と経験が身に付きますし、そうやって得た財産は、長い人生の中で後々差が出てくる部分だと思います。
別部 今の日本には歯科医が増えすぎて、大変な方も出てきているそうです。そこで、もしかしたら海外に目を向けることで、新しい道が開けるかもしれませんね。もちろん、学術的な意味でも、日本にとどまらず世界を目指す歯科医になるためには国際交流はとても大事なことだと思います。
田久保 これからの時代は日本だけで考えてしまいますと、人口も減っていきますし、経済的にも社会的にも沈滞ムードになりがちです。新しい発想を入れないと日本という国が成り立たなくなってきています。英語英米文学科では平成21年度からカナダのリジャイナ大学での長期留学制度がスタートします。日本だけで満足せず、世界に目を向けてほしいですね。
川崎 国際交流は若者にとって希望の星の一つであるという観点に立って、学生さんに安心して参加できるような組織づくりを進めていきたいと考えています。 |
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