本学保育科では、国際交流の一環として、
JICA(国際協力機構)の支援する国々の
幼児教育関係者に対する研修を受け入れている。
2008年度には、シリア、ヨルダン、イエメン、エジプトから
教育関係者計13名が来日。保育園や幼稚園の見学や
実習への参加、保育科の授業体験、学生との交流や
ディスカッションを行った。

 
 

互いの国の教育事情について話し合う

 
 

今回来日したのは、アラブ諸国の就学前教育部長や幼稚園園長など、各国幼児教育界のリーダーである。研修は本学教員によるわが国の幼児教育の歴史や制度、教育のねらいや内容などの理論と幼児教育の実践が融合するよう出来る限り幼稚園・保育園の現場で子どもと関わるプログラムだった。また、教育現場の実情について学生・教員とディスカッションの場を設けたり、他学科の教員の協力を得て、プレゼンの基礎、演習、歯に関する講義と歯磨き指導など研修内容の充実をはかった。

 
 

ドキュメンテーション学科の教員による「プレゼン演習」

 
 

幼児教育の実情は各国で異なるが、概して仕事をもつ女性が少ないため、幼稚園・入園率は日本より低い。また、基本的な生活習慣や対人関係、情操の発達などより、暗記中心の知育に比重が置かれる傾向があるという。シリアからの参加者で、アレッポ県幼児教育部長のドゥンヤ・アルフセイン・アルアラジュさんは、次のように語った。
「日本では99%の子どもが幼稚園、保育園に入園しているのに対し、シリアの入園率は18%くらいです。また、シリアでは多くの幼稚園で、保護者の強い要望を聞き入れて読み書きなどの『勉強』をさせてしまっているという実情があります。それに対して、日本で広く行われている、さまざまな『遊び』を通した教育が、私たちにはとても新鮮で印象的でした。図画工作遊びや鬼ごっこなど、遊びを生かして子どもたちのすこやかな心身の発達をうながすことは、非常に有意義だと思います。折り紙遊びなど、とても興味深いですね。日本で学んだことをシリアの教育関係者に伝え、現場に生かしていきたいです」。
保育者と保護者・子どもたちの親密な関係が興味深かったという。また、保育科の学生たちの熱意と子どもたちが生き生きと遊びに熱中する姿が印象的だったという声も聞かれた。
「私たちは、母国と日本を結ぶメッセンジャーになりたいと思います。つねに熱心に働き、誰に対しても謙虚に、友情をもって接する日本の人たちの素晴らしさを、同僚にも伝えていきたい」と語ったのは、シリアのモナ・マンスール・アリーさん(タルトゥース県幼児教育部巡回アドバイザー)。
研修最終日には、總持寺保育園の子どもたちが、参加者一人ひとりに、お正月の伝統行事である獅子舞の絵を描いたペンダントを贈り、約2週間の研修を締めくくった。

 
 

三松幼稚園の園児と交流

 

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