図書館は与えられたもの、活用するもの。
そうとだけ思っている人たちが少なからずいるのかもしれない。
しかし本当は学生が参加し、そして学生が皆でつくっていくもの。
そのために本学の図書館には、学生が自ら主体をもって行ういくつかの企画がある。
そこで、今回は「選書ツアー」に参加した学生4人と図書館長、図書館職員が
図書館の魅力や今後について語り合った。

 

左から 猪平桂子さん(日本文学科2年)、上地優加里さん(日本文学科2年)、石村早紀さん(ドキュメンテーション学科2年)、朝田芳信図書館長、山田祐司さん(歯学科2年)

 
 

学生自らが図書館の本を選ぶ。
それが「選書ツアー」一番の目的。

 

 
 

 まず第3回「選書ツアー」に参加した学生4人それぞれに選書の基準を聞いてみた。山田さん「僕の選書はタイ、韓国、インドネシアといった国々の史実を語る文献が少ないように思えたので、そこに重点を置きました」。上地さん「普段自分では高くて買おうとしないけれども読んでみたかった本を。あとはライトノベルズをセレクトしました」。猪平さん「私の専門の日本文学にかかわるもので、知らない人でもわかりやすく興味をもってもらえる本を選びました」。また石村さんは「より多くの学生に読んでもらいたかったので、貸出率も多少意識して選びました」と、みな選書の基準はさまざまだった。それについて朝田芳信図書館長は「自分が読みたいから、でもいい。人に奨めたいから、でもいい。そもそも選書の基準は一律である必要はないと思います。この企画の大事なところは、学生自らがこの図書館に置かれる本を選ぶ、ということ。これからより利用者本位の図書館を推進していくにあたり、このようなシンプルで楽しい企画はさらに学生に認知させていきたいですね」とコメントした。

 
 

「選書ツアー」とは?

学生自らが直接書店に出向き図書館に備え付けてほしい本を選ぶという企画。
ツアーに参加することで普段なかなか手が届かない本やたくさんの本を選ぶことができ、図書館における大切な「選書」という仕事を実体験することができる。
今回は6月13日に、紀伊國屋書店・横浜そごう店で開催し、文学部、歯学部8人の学生が参加。136冊の本を購入した。昨年度からスタートし、今年6月で第3回を迎えた。次回は10月31日に開催。

 
 

利用者主体のコミュニティ。
図書館のめざす理想に向かって。

 

 
 

 図書館では今、利用者本位の姿勢を強めていくにあたり「選書ツアー」「学習アドバイザーの常駐」など、学生がつくる学生のための図書館づくりを積極的に行っている。「学習アドバイザー」とは、院生が図書館に常駐し、学習に関する助言・指導を行うもの。
 「具体的にはどんな相談ができるのですか?」の問いに、受入整理係長の吉田さんは「特定のテーマに関する本や雑誌の紹介から個人的な知識からの情報提供、レポートのテーマの決め方からまとめ方、さらに学習方法の指導から学生生活全般に関する相談など、学習に関するさまざまな疑問や相談に対応しています」。続けて閲覧係長の浅香さんが「学習アドバイザーの役割は2つあります。ひとつは、学部学生と経験を共有しやすい身近な相談相手としての役割。そう、まさに気軽に相談できる先輩です。そしてもうひとつは、図書館を活用した学習支援者としての役割です。学習アドバイザーの経験をもとにした、図書館資料の有効な活用法や、学ぶことの楽しさを伝えていきます」と付け加えた。  「図書に関することと同様に、ちょっとした勉強の不安もこの同じ図書館で解消することができる。それも図書館という利用者主体のコミュニティの、これからのひとつの役割ではないかと思っています」と朝田館長が締めくくった。

 
 

この素晴らしい学習環境を
オープンキャンパスで高校生に。

 

 
 

 ところで、「選書ツアー」に参加した学生は皆一様に図書館の「快適さ」について満足しているようだ。「館内の環境整備はもちろん、データのIT化に至るまで、着実に快適化を進めています」と閲覧係長の浅香さんが言うまでもなく、本学の図書館は質・量ともに理想的な環境と言っても言い過ぎではない。座談会に出席した今回の「選書ツアー」参加者も口々に居心地の良さを絶賛していた。石村さんは学生が複数で利用できるグループ室の常連と言う。「図書館研究会の友人と議論しながら、資料を参照して共同作業に没頭できる。グループ研究にはもってこいの設備なので愛用しています」。上地さんは「2階奥の閲覧スペースが空間として洗練されていて、落ち着けるし、とても好きです」と。猪平さんは「自分たちが入学前にそうであったように、より多くの高校生にこの素晴らしい学習環境を知ってもらいたいです」と語った。夏休みには今年も図書館を高校生に開放する予定。より多くの若い来館者の訪れを図書館員も一同で願っている。

 
 

 
 

「学習アドバイザー」に寄せられる相談(一例)

 
 

○学習方法に関して

英語の勉強方法がわからない/授業の予習方法を教えてほしい/宿題の添削をお願いしたい/レポートの書き方や発表方法をアドバイスしてほしい/図書館での参考資料の検索の仕方/卒業論文の書き方/授業でわからなかったことの質問 など

○学生生活に関して

有意義な学生生活の送り方について/アルバイトや部活と勉強の両立方法について/学内での良い人間関係の作り方 など

「学習アドバイザー」実施場所

図書館1階インターネットコーナー前(一部曜日は別の場所で実施)

 
 

 

 
 

図書館の概要と利用データ

◆本学学生数=3179名
◆蔵書数=約74万冊
◆学生一人あたりに換算した蔵書数=230冊
◆学生一人あたりの年間平均貸出数=7冊
◆昨年の高校生の利用者数=700名
◆大学ランキング図書館部門6位
〔『2010年版大学ランキング』(朝日新聞2009年5月発行)より〕

 

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