講演する松本先生

 
 

 8月9日から11日までの間、シリア・アラブ共和国のダマスカスで行われた「中東地域幼児教育研修会議」に、JICA(国際協力機構)からの招聘を受けて本学短期大学部保育科松本和美准教授が参加した。本学では2004年からJICA横浜の要請でシリアをはじめアラブ諸国の乳幼児教育指導者の研修を受け入れてきた。今回の派遣も「これまでの研修のフォローアップ」が目的である。
 この会議にはシリアをはじめ、エジプト、ヨルダン、イエメン、チュニジアの5カ国から60名を超える乳幼児教育関係者と乳幼児教育の指導、支援のために各国に派遣されている50名近いJICAの日本人スタッフが参加した。
 初日のワークショップでは参加国の乳幼児教育の現状を発表。特にシリアの代表は本学での研修内容をすぐに実践した数々の変革を発表した。また、昨年本学を訪れたイエメンの指導者も研修の成果を母国で広めていると語った。
 2日目は現地の幼稚園を視察。シリアでは幼稚園は子どもたちが文字やコーランを学ぶ場と考えられ、施設も学校風の教室が当たり前である。ところが、一行が訪れた幼稚園は、「遊びの部屋」があり、日本の幼稚園や保育園のように遊びも十分に取り入れられていた。本学を訪れた園長が研修内容をいち早く実践したものである。
 最終日には、松本准教授が「遊びの理念とその意義について」と題する会議の基調講演を行った。講演ではスライドをJICAのスタッフがアラビア語に翻訳し、三松幼稚園での写真とともに、子どもの発達に沿った保育のあり方を紹介。「遊びによって子どもたちの学びと育ちが充実する」ことを説いた。
 「私たちは手遊びやオモチャづくりはできても、遊びの本質は伝えられません。理論立てて話してもらえたので、現地の人々も理解しました。これからの仕事がやりやすくなりました」とJICAのスタッフ。「3週間に及ぶ本学での研修があったからこそ、この地域の指導者の保育に対する意識が変化し、子どもたちの成長に必要な保育を実践してもらえたのでしょう。それがわかっただけでも、大きな意味がありました。障がい幼児の指導など、まだまだ多くの課題があります。各国間の格差もあります。各国の乳幼児教育のためにもこうした研修の大切さを実感しました」と、松本准教授は大きな手応えをつかんだ。

 
 

シリアの幼稚園を見学する一行(松本先生撮影)

 

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